2020年12月28日

年下の上司を振り返るE【嵐を呼んだ臨時職員】

こんにちは。
第6回です。

その前に、ウェブ拍手などで多くのコメント、ありがとうございます。
あー、ちょっと本当に嬉しかったな。

正直いえば、自ウェブでこうした創作物を発信するための環境みたいなものが、かつて年下の上司を連載していた頃とは何もかも……とまではいかないですけど、色々環境が変わっていて。

どうPRしていけばいいのかなと。
したところで、恋愛面で即効性のない作品だけに、すぐに集客は難しいんだろうなと。
そう思ってました。実際その通りだったんですけども。

そういった環境下でどうモチベーションを維持していくのかが課題だなと思っていたんですけど。
大丈夫でした。一言コメントだけで、最後まで突っ走れそうです!

とはいえ、執筆の関係でまたウェブから離れなければいけない時期がくるので、ところどころで休むかもしれませんが。

さて本題です。

この作品、実は恋と友情の板挟みについで、というかそれ以上に好きじゃありませんでした。
なんでかというと、宇佐美君の大阪弁がぜったい嘘くさいと思ったから。
あとまぁ、白血病のくだりとか……
前章と同じく、ありきたりというか自分の工夫不足というか……もろもろ。

でも乃々子と同じく、宇佐美君も後半楽しいキャラとして、盛り上げ役になってくれたので、これはこれでよかったなと思います。

多分、当時の私は、こうやってキャラを増やして物語のふろしきを広げていくことが、あまり怖くなかったんでしょうね。
今なら怖くて、ここまで脇役に焦点をあてた物語が書けるかどうか。
商業本ならヒーローより目立った時点で、アウトですからね。
そういう意味では、この物語はアウトな脇役ばかりですよ。
だいたい、藤堂さん。果歩とのラブシーンまで影が薄い存在だから・笑

とはいえこの物語には、本作屈指の、好きなエピソードが入ってます。
実は何回読んでも泣いちゃうんですけど・笑
多分今の30代、40代前半の人たちには響かないでしょうね。
お茶当番を決めるために、課全員で話しあうシーンです。

これ、実は私が体験したほぼ実話なんです。
私の立ち位置は果歩です。
とはいえ、当時その会社に女性は三分の一くらいはいたと思いますけど、その中のリーダー格の女性の一人が、お茶当番を男性も一緒にしましょうと言い出したんです。
もちろん反対の声があがり、では全員で話しあいましょうということになりました。
ものすごく気まずい、でも何かが変わる、変えなくてはいけないというムードの中。
私は果歩みたいに何も言えませんでした。
言えるような時代じゃなかったんです。その職場のムードも伝統もありましたし。

その中で、とうとうと持論を述べる管理職の男性。男には男の仕事があり、女には女の仕事がある。
意気込んでいた私(でも何も言えない)でも、その通りかな……と思うくらい、当時はド正論に思えました。
が、会の発起人でもあるリーダーの女性が言い放った言葉があれなんです。
「お茶は手があれば、誰でもいれられる」
なんか私、いろいろ気持ちが込み上げて、泣いちゃったんですよね。

今では信じられない時代かもしれないですけど、女性が朝全員分のお茶をいれて、カップを下げてあらって、日中は来客のお茶をいれてカップを洗って、昼も全員のお茶を入れて、――夜は灰皿を洗ってみたいな、なんのために仕事にきてるの? って時代が、あの頃は当たり前にあったんです。
反発したこともあります。私もこう見えて? 気が強い方だったので。
でも先輩男性にこう言われました。
「そういった潤滑油のような存在はどの職場にも必要なんだ。職場の女性には、いつも笑顔で、太陽のような存在でいてほしい」
 ――……?
ずっとそれがおかしいと思いながら面だって声をあげられなかった弱い私の目には、その先輩女性はまさに太陽。ヒーローのように見えました。

なので、当時の自分の気持ちが果歩を通して蘇ってきて、それでいつも泣いてしまいます。
もう随分前のことなのに・笑

そういう意味じゃ年下の上司って、私の個人的な思い出がたくさん詰まっている作品なんですよね。














posted by 石田累 at 11:30| Comment(0) | 年下の上司

2020年12月27日

年下の上司を振り返るD【恋と友情の板挟み】

おはようございます。

第5回です。

最初にいっていいですか。
ここまで、毎日続けられたことが、嬉しいです!
ここ数年、さまざまなことが有言不実行だったので。
この調子で年越しまで行きたいですね。

さて恋と友情の板挟みです。
これは…………
正直、そこまで好きじゃなかったです。
今年改めて読み返した時、そういやこの話も書籍化の中に入っていたんだ……と、なんだろう、ちょっと複雑な気持ちになりました。

なんで好きじゃなかったかというと、やっぱり乃々子がちょっと可哀想だったからかな。
あと、乃々子を、女性の先輩として輝かせる果歩の立ち位置というか、そのありきたりさというか、
そういうのが自分の工夫不足・知識不足の現れのような気がして、できとしては六十点くらいだな(自分作比)と思ってました。

映画館からのキスのくだりは好きですけどね。

でも、乃々子はこの先色んな意味で便利に使えたし、果歩の支えになったり本音を聞き出したりする重要な役どころになってくれたので、ここで作っておいてよかったなと思いました。

そして映画館の帰り道に、恋に極めて積極的な藤堂君が果歩を部屋に誘います。
だけど……という展開。

このあたりから藤堂君は、「もしかして、婚約者問題がまだ片付いていないのでは……」
と気付き始めたのかもしれません。
少なくとも、自分にはまだ解決しなければならない問題が残っていて、それを残したままで果歩と積極的なお付き合いはできない――と、気がついたのでしょう。

この章を気に、藤堂君は恋に慎重な男になります・笑


posted by 石田累 at 09:05| Comment(0) | 年下の上司

2020年12月26日

年下の上司を振り返るC【女心と夏の空 課対抗バトミントン大会】

こんにちは。

第4回です。

この章、実は今作で1、2を争うほど好きな章です。
これと張り合うのは、今のところ復元ポイントくらいでしょうか。
そのくらい好きです。

恋愛面の進行は殆どない……ですが、この章くらいから、毎回お約束のようにキスさせるようになったかな?
多分次章から、必ずラブシーン、しかもちょっとずつ気持ち的に進展……みたいな感じにしていたように思います。

ちなみにこの章を書いた時から、これまで最悪な男だった晃司が、すごくいい奴に思えてきたんですよね。
最後は捨て台詞を吐いてはなれていきますけど、ここからが彼のターンというか、なんというか。
果歩には全く意識されていないですけど・笑
でも晃司は、この作品で一番もてる男なんです。
果歩を含めると、なんと作中4人の女性に愛されたことになります。
タイトルロールを背負うヒーローと対になる多さで、影のヒーロー雄一郎よりもててます・笑
書いてて非常に楽しく書きやすいキャラで、現在進行中の「マリアージュ」が実質本編最後の出番になりますが、ぜひぜひ、最後の勇姿をみてやってほしいですね。

この章の何が好きって、やっぱりバトミントンの対決シーンです。
あえて感情を吐露する機会をつくってあげなかった藤堂君が、ようやく気持ちをぶつけられる場面とでもいいますか。
彼はかなりの負けずきらすいで、若干意地悪な側面もあるんですけど、そういう片鱗も見えたのかなと思います。

正直、何度読み返しても楽しい(私には)章なので、もし未読の方は、ぜひぜひ読んでみてください。




posted by 石田累 at 13:42| Comment(0) | 年下の上司